船でアマルフィへ

ゆっくりと朝を過ごし、チェックアウトをする。今日の午後の船でソレント半島に向かい、ポジターノからアマルフィへ向かおうと思う。再び荷物を転がしてフニコラーレの駅へ向かった。船の時間には早く、昼食もとるので荷物は一時預かりに預けて、最後の散策をした。広場のカフェの2階から、小さなウンベルト1世広場に所狭しと配置されたテラス席のパラソル越しにくつろぐ人々を眺めながらジェラートを食べた。外へ出て、小さなレモンチェッロの瓶をぎっしりとならべた土産物屋を冷やかし、マリーナ・グランデを見下ろすレストランで軽いランチを食べた。。そしてカプリの町を後に、フニコラーレで港に下り、アマルフィへ行く船を探した。船が出る場所はナポリ行きと違っていて分かりにくかったが、何とか目指す便に乗船できた

カプリ島がゆっくりと遠ざかり、船はソレント半島の先端に近づいていく。半島の南側に回り込み、最初の寄港地ポジターノに向けて進んでいく。断崖の高いところに道が絡みついている。去年はあの道を辿って半島を一周したのだった。連れ合いの方は完全に風邪を引いてしまい椅子に座って休養していたので、代わりに報告係となる。しかし、天気が悪くポジターノに着く頃には小雨混じりとなっていた。去年の宿、AGAVIがポジターノの町はずれの山肌の途中に見えた。そして急斜面に小さな家々が美しく密集するポジターノの町が全容を現し、船は鳥が羽を休めるように桟橋にたどり着いた。3分の1くらいの人がポジターノで降り、再びアマルフィを目指して出航。

アマルフィは、かつてのアマルフィ公国の首都として、半島の南側では最も多きい町だ。船はここまでとなる。アマルフィにはふたつのカプチン会修道院を改装したホテルがあるのだが、昨日電話で確認すると残念なことに両方とも満員だった。先ほど船の中から見えた町はずれのホテルなら空きがあろうと、タクシーに乗り込んで5分ほどの国道沿いのホテルに飛び込んだ。確かに部屋も空いており、高くはなかった。しかし部屋は狭く、テラスはあるもののその前は崖になっており、海は臨めない。雨のせいもあり、何とも侘びしい風情だ。外に出ることもなく、万事休す。妻は熱を出して完璧にダウン。食事は独りでホテルのレストランでとった。アメリカ人の観光団体が宿泊しており、食堂は満員だった。チェックインの時にホテルで夕食をとる旨伝えてあったので、席は用意されていた。前菜もパスタもプリモも、2品の中から選ぶ簡単なコースで、イタリアの社員食堂か学生食堂のような感じの味だった。しかし今から思い出すと、美味しかった味よりも、その時の何の感興も無いパスタの味の方が記憶に残っているのだから不思議なものである。ワインはメッゾが無くてフルボトルで頼み全部飲んでしまった

後はすることもなく、部屋に戻り、酔いの回る頭で明日の予定を考えながら眠りについた