Ile-de-France

Le Van Gogh

2 quai Aulagnier, 92600 Asnier sur Seine

パリ市内からセーヌ川を下っていくと、ブーローニュ地区をぐるりと周り北に向かっていく。デファンスを左側に見ながら更に進むとアニエールという町だ。大きなクリシー橋の脇から川の方に降りる小道を見つけるのはちょっと難しいかも知れない。ヴァン・ゴッホというレストランはセーヌのほとりにあり、ヨットハウスの雰囲気を出している。ゆったりとしたダイニングで、場所柄ビジネス利用が多いのかさっぱりと小ぎれいなインテリアだ。何をとってもそつが無く、癖が無く、クリアにおいしい。値段も安くないし、場所も不便だけれど、出張かツアーで一晩だけ美味しいフランス料理を食べようとするならお薦めの場所。

La Rotisserie

24, rue Anatole France, 92300 Levallois Perret

閉店

地下鉄3号線の終点から2つ手前、Louise Michel で下りて、真上のアナトール・フランス通りを先に進む(地下鉄のAnatole France 駅の方へ)と20メートルほどで右側に小さな入り口がある。建物の扉は少し奥まったところにあるので見逃しやすい。昔の工場か倉庫を改装してレストランにしており、ナンテールにある姉妹店がクラシカルだとすれば、こちらはモダンな雰囲気。ただ、テーブル・クロスが痛んでいたり、ちょっと脇の甘さも目に付くことがある。

以前4年間住んでいたアパルトマンから一番近くにあるきちんとしたレストランということで、仕事にプライヴェートにと大変お世話になった店だ。一時期不調になったのか、ゴーミヨーにも載らなくなったが、2000年版で13点で返り咲いた。そこで99年の12月に久しぶりに訪れてみた。席数はかなりあるので、パーティでも入っていなければ、まず予約無しでいける。その場合は8時前には入りたいが。

前菜は、あまり変わったものは無いし、何をとってもそれなりに良い。ヨーロッパに着いて2晩目なので時差があって万全な体調でないこともあったがメインの魚は今一歩。ちょっとぼけた味付けだった。全般にレベルの高い肉にすべきだったのだが、ちょっと食べたいものが無かったのはアンラッキー。

価格も安く、雰囲気も悪くないので便利に使えるレストランとして貴重だし、料理も当たればかなり満足できるはず。場所柄も悪くないので、夜でも大丈夫。

Le Petit Poste

39, rue Rivay, 92300 Levallois Perret

昔の郵便所を改造したビストロ。まさにフランスの古いビストロの感じ。ずいぶん前に一度行ったきりなので、料理のことはもう忘れてしまったが、かなり古典的な味だったような気がする。170フランくらいするので、決して安くはない。

Carpe Diem

10, rue de l'Eglise, 92200 Neuilly sur Seine

ヌイィの大通り、デファンスに向かって右側に建つ教会の脇に「教会通り」がある。大通りから住宅街の方に少し行ったところにある小さなレストラン。テーブルも10個ほども無く、夜には常連とおぼしき、ヌイィの金持ち達で満員になる。ラテン語の店の名前はホラティウスの言葉から、「今日の日をよく生きる」みたいな感じですか。常連客が多いと言っても、伝統的な味ではなく、イタリア的テイストもある、軽いもの。前菜にとった山羊チーズのサラダは、まるでモツァレラ・チーズを爽やかにしたような感触のフルマージュ・ドゥ・シェーブルにロケット(ルッコラ)等のハーブをオリーブ・オイルで和えたもの。夏にぴったり。メインにはルージェをとったけれど、これは小ぶりすぎてちょっと歯ごたえを味わうまでに至らず。デザートはショコラ3点セット。これはちょっと重すぎたけれど、濃密な味は名物らしい。ワインは130フランくらいから上の方まで、種類は多くないけれど選ぶのに困らないくらいに。ドゥミもいくらかある。落ち着いた感じで、気取らずに食事できるが、場所柄ゆえの高級感は失わない。ムニュは220フランくらい、アラカルトでは300以上。

Le Bistro d'a Cote - Boutard

4, rue Boutard, 92200 Neuilly sur Seine

こちらは、ポン・ド・ヌイィのメトロ駅からデファンスに向かって左側(ブーローニュの森の方向)に一区画行ったブタール通りにあるビストロ。ミシェル・ロスタン氏経営の「ビストロ・ダ・コテ」はパリ市内にも何軒かあり、ここは通りの名前を取ってブタール店と言われる。帰国する前に1年半ほど住んだアパルトマンの近くだったので、時折予約無しで訪れた。何を食べても、気楽に、でもたっぷりと楽しめるいい店だった。デセール抜き、もしくはアントレ抜きにすれば、割引料金になるというのもフレキシブルで良い(時折、こういう形式のところを見るが)。デセールによく頼んだムース・オ・ショコラのプティ・ポは小さな容器2つに、さっぱりしたチョコ・ムースが入っているのだが、何度食べても小豆餡のような味がするという実に不思議な食べ物だった。あれはやっぱり小豆だったのではないかと今でも思う。この店が、99年以来ゴーミヨーに載らなくなり、消えてしまったのではないかと思っていたのだが、2000年7月に見に行ったらちゃんとやっていた。これは一体? 何かケンカでもしたのだろうか。味が落ちたと言っても何も不掲載にすることは無いのに。これは無くなっちゃったより不安だ。そう思いながらも、新しいところを開拓しようと、思い出のビストロ・ダ・コテは外して上述のカルペ・ディエムに行ってしまった

Les Communautes

2 place de la Defence, 92800 Puteaux

ピュトーとは馴染みのない地名かも知れないが、いわゆる副都心地区デファンスの一部である。凱旋門からシャンゼリゼの反対側を見ると、まっすぐ延長線上に白い口の字型の建物が見える。そのあたりをデファンスと称して、様々な企業のオフィスが集まる、新宿副都心のような所だ。少しはずれるとあまり治安が良くなくなるのも似ているかも。デファンスの中心には広場があるが、実はこの下には高速は通るは、バスターミナルはあるは、地下鉄や郊外電車の駅はあるはという、まるで屋根の上のような場所で、まあ地震というコトバを辞書でしか知らない幸せな人々が作ったところだ。

で、レストラン・レ・コミュノテ。何故、ランチよりディナーの方が高いのか。ランチはビジネス向けだから。夜はこんな所に来る人々はそういない。ホテルの宿泊客ぐらいだ。そうそう、ここはデファンス広場に面したCNITというコンファレンス施設の中のホテル・ソフィテルのレストランなのである。土日は休み。CNITに入ると、右側にFNACがあり、左奥にソフィテルの入り口がある。そのまま1階に上がり、ロビーを横断してエレベーターを5階へ。

ビジネス街のホテルのレストランなんて、と思うと大間違い。確かにホテルのレストランに見られる「無難系」の味が基本ではある。しかし、完成度は高い。かのオテル・クリヨンの、かのレ・ザンバサドールだって「無難系」の極北と言えるのだ。乱暴に言ってしまえば、ビジネス・クラスのレ・ザンバサドール。きっと、何をとってもフランス料理を食べる楽しみを押しつけがましくなく味合わせてくれるだろう。ムニュから選べば、アントレもプラも3品からの選択だし、ワイン・リストも簡潔にして十分。しっかり良質の地方ワインも置いているので、安全な冒険が出来る。旅行に行ったときに2晩あれば、1晩ここにしてもよい。欠点は、環境的にパリに来た感じが今一歩なことと、帰りにメトロの駅がちょっと不安なこと。メトロの中では最も安全な1号線なので、乗ってしまえば大丈夫なのだけれど、駅はあまりいい感じではない。

La Vieille Fontaine

8, avenue Gretry, 78600 Maisons Laffitte

サンジェルマンの森に抱かれたメゾンラフィットの町。パリからは、デファンスを通りA86をベゾンで下りてD308をベゾン橋を渡り西へ向かう。ディナーの為に夕方通ると帰宅ラッシュで結構時間がかかる。ウイユ、サルトゥルーヴィルといったあまり情緒のない郊外の町を抜けセーヌ川にかかる橋を渡ると、メゾンラフィットの城が正面に見える。交差点を左に曲がると町の中心だが、ここを右に曲がる。こちら側は大変な高級住宅街になっていて、星付きの高級レストランLe Tastevinを右に見ながら更に進む。大きなロンポワンのPlace Wagramを斜め右に出る道がAvenue Gretryだ。100メートルくらい進み、もう一つの道と交差するところにレストラン・ヴィエイユ・フォンテーヌがある。金持ちの邸宅という風情で、まず門構えが立派。敷地内には小さなイギリス風の庭園があり、食事の前に散歩で腹ごなしをする。池では鴨が10羽ほど水遊びをしている。記念写真でもとりながらひとまわりして、春か秋ならランプが灯りはじめる頃、屋敷の中に入る。外が見えるテラス側もいいし、室内もまた落ち着く。

羽子板のような品書きはムニュ・カルトで、何をとっても一定額というのが安心。でも、オマール海老やフォワグラ関係は帽子マークがついていて40フランぐらい割増料金になる。一度、欄外の注意をよく読まないで、これはシェフのお薦めマークだなと勘違いして全員がマーク付きをとって思わぬ値段になった事があった。本日のお薦めは手書きでメモが添えてある。魚、シーフード関係はだいたいはずれがないが、肉は好き嫌いが別れそうな味の時もある。前菜はまず外さないが、問題はプラで、ちょっとヘビーだったり、いまいちぼけているかと思えば塩が効きすぎていたりということが無いわけではない。それでも、当たりの確率は8割超えていると思う。

ワイン・リストも羽子板の小型のもので1ページ分。つまり、種類は多くない。特に、ブルゴーニュやボルドーは少ない。よく選ばれていると言うこともできるだろうか。お気に入りはマディランのシャトー・モンテュスのセカンド。パリ市内の星付きレストランで飲むより3割は安い。

このレストランの特徴は、その雰囲気にある。レストランというより人の家に呼ばれて食事をするような感じで、メインの後も、チーズ、デセール、カフェまでたっぷり落ち着いて楽しめる。一度は8時前から12時近くまでわいわいとやっていたこともあった。日曜のお昼も開けているので休日のランチも楽しい。

Les Communautes

2 place de la Defence, 92800 Puteaux

サンジェルマンの森に抱かれたメゾンラフィットの町。パリからは、デファンスを通りA86をベゾンで下りてD308をベゾン橋を渡り西へ向かう。ディナーの為に夕方通ると帰宅ラッシュで結構時間がかかる。ウイユ、サルトゥルーヴィルといったあまり情緒のない郊外の町を抜けセーヌ川にかかる橋を渡ると、メゾンラフィットの城が正面に見える。交差点を左に曲がると町の中心だが、ここを右に曲がる。こちら側は大変な高級住宅街になっていて、星付きの高級レストランLe Tastevinを右に見ながら更に進む。大きなロンポワンのPlace Wagramを斜め右に出る道がAvenue Gretryだ。100メートルくらい進み、もう一つの道と交差するところにレストラン・ヴィエイユ・フォンテーヌがある。金持ちの邸宅という風情で、まず門構えが立派。敷地内には小さなイギリス風の庭園があり、食事の前に散歩で腹ごなしをする。池では鴨が10羽ほど水遊びをしている。記念写真でもとりながらひとまわりして、春か秋ならランプが灯りはじめる頃、屋敷の中に入る。外が見えるテラス側もいいし、室内もまた落ち着く。

羽子板のような品書きはムニュ・カルトで、何をとっても一定額というのが安心。でも、オマール海老やフォワグラ関係は帽子マークがついていて40フランぐらい割増料金になる。一度、欄外の注意をよく読まないで、これはシェフのお薦めマークだなと勘違いして全員がマーク付きをとって思わぬ値段になった事があった。本日のお薦めは手書きでメモが添えてある。魚、シーフード関係はだいたいはずれがないが、肉は好き嫌いが別れそうな味の時もある。前菜はまず外さないが、問題はプラで、ちょっとヘビーだったり、いまいちぼけているかと思えば塩が効きすぎていたりということが無いわけではない。それでも、当たりの確率は8割超えていると思う。

ワイン・リストも羽子板の小型のもので1ページ分。つまり、種類は多くない。特に、ブルゴーニュやボルドーは少ない。よく選ばれていると言うこともできるだろうか。お気に入りはマディランのシャトー・モンテュスのセカンド。パリ市内の星付きレストランで飲むより3割は安い。

このレストランの特徴は、その雰囲気にある。レストランというより人の家に呼ばれて食事をするような感じで、メインの後も、チーズ、デセール、カフェまでたっぷり落ち着いて楽しめる。一度は8時前から12時近くまでわいわいとやっていたこともあった。日曜のお昼も開けているので休日のランチも楽しい。

Les Jaridins de Camille

70, avenue Franklin Roosevelt, 92150 Suresneswww.les-jardins-de-camille.fr

町の名前は、シュレーヌと読む。デファンスとサン・クルーの間にある住宅街。ブーローニュの森からセーヌ川をはさんで向かい側にヴァレリアン山という小高い丘が臨まれる。ブローニュの森を抜けてシュレーヌ橋を渡り、道がサン・クルーの競馬場に向けて左に曲がってしまうところで右折し、道なりに上っていく。RERの高架の下をくぐり、やや急になる坂を上れば左側に農家風のレストランが見える。ちゃんとヴォワチュリエが迎えてくれるので、鍵を渡すと路上のスペースを見つけて駐車しておいてくれる。

窓際の席をあててくれると特に夜は素晴らしい眺めだ。デファンスの高層ビル街からセーヌを越え、パリ市域に入り、エッフェル塔までが視界に飛び込む。天井の高い空間、シンプルな内装。日が暮れてくるとテーブルの蝋燭を灯し、窓の外のパリの夜景を見ながら食事を進める。

このレストランはブルゴーニュのアルネ・ル・デュックにある CHEZ CAMILLE の姉妹店なので、料理もブルゴーニュ専門。ワインもブルゴーニュ主体の品揃え(種類は多くないので選びやすい)。従って、エスカルゴの前菜、シャロレ牛のプラという王道を行くことが出来る。Dentelle (レース)と名づけられた、シャロレ牛の生肉をスライスしたちょっと厚いカルパッチョ(但しオリーブ・オイルは使わず、芋の千切りをフライにしたものの上に乗せてあり、タマネギのみじん切りがかけられている)といった風情の料理が大好物だった。(1999.4.13.)

基本的に165フランのムニュ・カルトで、マーク付きの皿は割増料金。

これはパンフレットに載っていた写真。予約のときに窓際の席をお願いすることも出来る。写真の一番右はエッフェル塔。パリの夜景を遠くから一望するロケーションは最高。

Manufacture

20, esplanade de la Manufacture (rue Ernest-Renan), 92130 Issy les Moulineaux

ポルト・ド・ヴェルサイユの見本市会場から、エルネスト・ルナン通りを南に行くとパリ市を出て、イシー・レ・ムリノーに入る。メトロなら12号線を Corentin Celtonまで行って少し戻る。古いタバコ工場か何かだった建物を使ったモダンなレストランで、アピシウスのジャン・ピエール・ヴィガト氏が経営するセカンド・メゾン。95年ぐらいに現在のシェフ、ジャン・クリストフ・ドゥバスクル氏になってからは訪れていないが、180フランのカルト・ムニュのみというのは最初からのパターン(途中でアラカルト方式を取り入れたりもしたが)。先代のダヴィッド・ヴァン・レールの時に一度行ったきりなので、機会があればまた行ってみたいところ。

La Rotisserie Bellaster

180, avenue Georges Clemenceau, 92000 Nanterre

凱旋門からポルト・マイヨーに下り、ヌイィの町を突っ切る。セーヌを渡って、デファンスの真下を通り、左のレーンを取るとルイユ・マルメゾン方面へ抜ける。夜は帰宅ラッシュで渋滞する道だ。レストランは左側にある。左折して引き返すことになる。白く瀟洒な建物で、10段位の階段を上り扉を開ける。サロンはそれ程広くない。ロティスリーという名前は、「ローストする店」という意味でしょう。

ルヴァロワにあるロティスリーの姉妹店で、メニューもかなり共通している。雰囲気はナンテールの方が、クラシカル。ゴーミヨー評価では、99年には12点だったのが、2000年で1点プラス。155フランのムニュ・カルト(割増料金のアイテムあり)で選ぶのも簡単。但し、種類が少ないのと、魚の場合は1アイテムしかないことに注意。前菜はちょっとイタリアンなテイストのものもある。メインは焼き物中心。牛でも羊でも、がっちり食べられる。牛でも良い場所にあたるとお得感が更に一層高まる。

デファンスあたりに泊まっているならタクシーを飛ばして食べに来ても良い。

ルヴァロワ店は閉店してしまったようだが、こちらは営業中。

Le Moulin de la Renardiere

Rue du Grand-Moulin, 95520 Osny

ここはたどり着くのが大変だった。まずオスニーという町自体が聞いたことも無い。セルジ・ポントワーズの隣町で、この新住宅地が出来る前からあった小さな村なのだろう。A15を11番出口で下りて、セルジ・ポントワーズと反対側に行く。ところが、住所のグラン・ムーラン通りというのが、実はこのレストランの為の入り口の道みたいなものなので、街中の地図看板で探さなければならないというもの。それだけに、パリからそれほど遠くないこんな場所でこうした隠れ家的レストランを見つけるのは楽しみではある。

 

ムミュ・カルトは200フラン以下からあり、きちんとした料理をゆったりと楽しめる。夏はテラスでも食べられるようなので、それも一興。オーヴェール・シュル・ロワーズからも近いので、車があればゴッホ観光がてらランチをとりによることも。だけど、ゴッホ観光で最初に訪れるなら、ゴッホゆかりのラヴー亭に行ってしまうか・・・

Le Richebourg

24, rue Jean Jaures, 77130 Saint Germain Laval

A5に乗って、17番出口 Montereau で降りる。D210-D133-D403でサンジェルマン・ラヴァルだが、町の中心から外れたところにあるので、地図板を見て、ジャン・ジョレ通りを探さねばならない。緩い丘の上の畑の中の集落の中にある普通の近郊農家といった風情の家で、とてもレストラン、それもゴーミヨーで14点を取る店とは思われない。田舎の農家食堂という趣だ。当然のように、ミシュランには載っていない。

中にはいると、田舎家ふうjながら趣味良くまとめられた内装で、例えば地方のロジ・ド・フランスによくあるのコテコテ民芸風食堂とは違う感じである。訪れたのは、ちょうどパック(復活祭)の時だったので、パック特別メニューがあり、ランチとはいえかなりのボリュームとなるであろうそのメニューを頼んだ。おだやかな春の陽が小さな食堂に注ぐ。

ワイン愛飲クラブのような活動も行っているようで、ワイン・リストも個性的。店名のリシュブールは、ブルゴーニュはヴォーヌ・ロマネ村の赤のAOCではなかったか。

ゴーミヨー好みの味、素材重視でローカル風ながら軽い。どれも外さないかっちりした味。

記念に、店のカードを下さいと頼むと、レストランの写真の裏に手書きでレストラン名、住所、電話番号を書いてくれた。 リーフレット等も用意していない。実に、不思議なレストラン。

Hostellerie le Vieux Logis

5, rue Sadi Carnot, 77810 Thomery

A6の有料区間直前のフォンテーヌブロー出口で下りてN6を進み、フォンテーヌブローの森を通り抜ける。町の近くのロンポワン(ラウンドアバウト)をモレ・シュール・ロワンに向けて抜けてしばらく、D137に外れると程なくトムリーのまち。中心部の教会からサディ・カルノ通りを少し行ったところ。道が空いていれば、パリから1時間強で到着する郊外の田舎町。

ランチに訪れたレストランは大きなサンルームのような場所で、白い布で和らげられた光がフロアを満たしていた。白を基調にした調度類とクロス。田舎風にたっぷり出てくる前菜とプラは神経質なところが無く、バリバリ食べられる。それでいて、どこかキリっとした要素に欠けていないことに、ゴーミヨーでも15点を取っていることを納得させる。サービスも細やか。メートル・ドテルは短期間、前の仕事の関係で日本に住んでいたということで、お客さんが増える前にいろいろ日本の話をすることになった。

宿泊はしなかったけれど、部屋を見せてもらう。広くはないけれどベージュ主体の穏やかで落ち着く部屋だ。週末にふらりと訪れ、ロワン河沿いに遊び、あるいはフォンテーヌブローを見て、食事をして一泊。そういう使い方ものんびりして楽しそう。二人で泊って、フルコース食べてワイン飲んで、ひとり1万円とちょっとというところなのだから。

La Galiote

18, quai des Cordeliers / 1, rue du Fort, 78200 Mantes la Jolie

コレジアル(参事会聖堂)で有名なマント・ラ・ジョリは、パリから西に60キロ余り。ノルマンディ高速の13号線でベルサイユを越えて走れば、有料区間になる前に着く。住所が二つになっているが、車はセーヌ川沿いのケ・デ・コルドゥリエに置いて、門のような入り口をくぐると小さな路があり、それが rue du Fort という具合。コレジアルの城砦の構造からつながって出来ているようだ。小さなフロアに分けられている食堂は、ちょっと田舎風。突き出しの「プチポワのカプチーノ」はグリーンピースを潰した冷製スープに軽いクリームを添えて、カプチーノのようにして出すというもの。まずここから大きな期待が生まれる。皆でああだこうだと言いながらやっと決めた注文を調理場に伝えた頃に、カルトの最後のページにデギュスタシオンを発見してあわてて全員で変えてもらうという面倒な客たちにも何とか対応してくれた優しそうなマダム。ワインもそれぞれの料理に合わせて選んでくれたもの。フォワグラにはソーテルヌならぬ、ロワール地方の珍しい甘口ワイン。魚にはトゥレーヌの白、という具合。ちょっと大きめのガンバ、鱸のグリル、システロン産の子羊を使ったジューシーでやわらかいカレ・ダニョーと、皿はこぶりだけれどいろいろ楽しめる。赤はルシヨン地方のもので、羊にぴったり。何種類課のフロマージュとデセールがついて、オール込み400フランちょっと。2000年のゴーミヨーで15点と、前年から1ポイント・アップした。郊外のこのようなレストランでも着実に質が向上したりしているのだ。場所的にはセーヌ川のすぐ近くだが、一番玄関に近い部屋以外は川をみることは出来ない。(見える部屋でも、小さな窓越しにちょっと見えるだけ) もっとも、セーヌ川は更に下流に行かないと川辺の景観がそれほど美しくはならない。