ジョゼフ・ギ・ロパルツは、フランスのブルターニュに生を受けた作曲家である。 20世紀の半ばまで生きた、遅れてきたフランキスト。
ブルターニュという故郷を映しているのか、その音楽はケルト的なロマンティシズムが漂う独特なものであり、渋みの中にもどこか開放性を感じさせる。
彼の200曲近くに上る作品のジャンルは多岐に渡るが、今日決して十分な評価を得ているとはいいにくい。
あるいは、ナンシーやストラスブールの音楽院における教育者としての業績がかえって作曲家としての業績が本来受けるにふさわしい賞賛から遠ざけているのか。
一音楽愛好者として集めることが出来るロパルツの情報は限られたものだったが、とりあえず、CDの解説などを頼りに、ここにまとめてみることにした。
私がこのサイトを始めた2002年の終わりには、ロパルツの名前はフランス音楽のスペシャリストか、あるいは偶然彼の音楽を耳にして魅了された愛好家に知られるのみでした。2003年の初めにフランスでRopartz協会のサイトがオープンしましたが、私が彼の音楽を知るきっかけになったMarco Polo や Naxos から発売されていたタイトルを除けば、CDを探すのも大変でフランスの大手CDショップの店頭で僅かに並んでいるタイトルを買って来たりしていました。ところが、 Timpaniというレーベルが彼の作品のレコーディングに取り組むようになって状況は様変わり。今や、交響曲から室内楽まで聴けるようになっています。そして充実した評伝も出版されました。