FLIE UNDER; Roots Music

FLIE UNDER; CELTIC 2 - Bothy Band から Night Noise まで

70年代のアイリッシュ・ダンス・バンドとして歴史に残る活動をしたボシー・バンドは、ドーナル・ラニーのブズーキ、トリーナ・ニ・ドーナルの歌とキーボード、兄ミホールのギター、マット・モロイ、ケヴィン・バークにパディ・キーナンというオールスター・キャストで、こんなバンドが継続的に活動していたというその時に是非聴いてみたかった。私が、このような音楽があることを知ったのはもう80年代も後半になった頃だった。トリーナの独特の声質と節回しも印象的だ。

LIVE IN CONCERT - The Bothy Band

(Windsong Records WINCD060))
cover photoB000005CU6

'76/7/15 パリ、'78/7/24 キルバーン でのライブで、BBC Radio1 の音源のようだ。スピードと躍動感、これが全て伝統楽器によるアンプラグドな演奏だというのが驚き。こんなライブに居合わせたら1年くらいハッピーだと思う。78年の方がソフトな感じがする。78年のパリのライブも別にCD化されておりこちらも聴いてみたい。

OUT OF THE WIND INTO THE SUN - The Bothy Band

(Green Linnet GLCD3013)
cover photo

77年のスタジオ録音。ボシー・バンドとしてはこれが最後のスタ録になる。急から緩、動と静という曲調のレンジの広さが後の Relativity を思わせる。幽玄な The Streets of Derry におけるトリーナの歌唱はナチュラルさと静かなテンションのバランスが素晴らしい。

RELATIVITY

(Green Linnet GLCD1059)
cover photoB000005CMT

ボシー・バンドのドーナル兄妹がアメリカに移り、ジョニーとフィルのカニンガム兄弟と結成したバンドで2枚のCDを作っている。RELATIVITYというのはバンド名なのかアルバム名なのか不明だが、おそらく後者であろう。録音は'84年8月のエジンバラ。トリーナのキーボードがアルバム全体を束ねたような感じで、彼女自身のふくよかさを増した歌もたっぷり聴くことが出来る。全体的にはポップ・トラッドという感じになっているが、伝統部分とのせめぎ合いがひとつのテンションを生み出している。緩やかなエアではしみじみとさせられると思うと、加速して盛り上がるトラックが続き、さらに曲の中にも緩急の変化は不連続に現れたりする。

GATHERING PACE - Relativityx

(Green Linnet GLCD1076)
cover photoB000005CN8

87頃の録音。このあたりから私がケルト音楽にのめり込むきっかけになったアルバムだ。当時、高尾にあったタンボリン(ご主人の船津さんは現在は阿蘇に引っ越して通販を続けていらっしゃる)からLPの包みが届きわくわくしてプレーヤーに載せて最初のダンス・セットを聴いたときは目が回るかと思った。これで一発で中毒になってしまったのである。ボシー・バンドから現在のナイトノイズまで通して、私はこのアルバムを今でも最も好んでいる。本当に、このトリビュート盤が(フリートウッド・マックの「噂」のように)作られる価値があると思われるほど、完成度の高い、かつダイナミックなパワーに溢れたアルバムだ。8トラック目の Said Johnny to Molly を DERVISH のキャシー・ジョーダンの歌と聴き比べてみよう。

MI

(Berl)

そのうちに書き足していきたい。上記2枚のアルバムを出して、RELATIVITYは解消。その後、Windam Hill レーベルでミホールとビリー・オスケイのユニットによるアルバム「ナイトノイズ」が出る。夜の静寂。アルバムを出すごとに、トリーナが加わり、ジョン・カニンガムも戻ってくる。個人的には、このニュー・エイジなノリはストレス解消の音楽のようで、そんなもんじゃないんだあと言いたくなる。もちろん、この雰囲気を好む人もいるだろう。年を経るごとにトラッド色をやや復活させて来ている。

MI

(Berl)

MI

(Berl)
photo_disc