カンティガス聴き比べ
13世紀のスペイン、レコンキスタのただ中に王位にあった賢王(エル・サビオ)と呼ばれるアルフォンソ10世が編纂した400曲あまりからなる、中世のマリア信仰による民衆宗教歌の数々。 当時、抒情詩に適するとされた中世ガリシア語で書かれている。 ガリシア語は殆どポルトガル語に近く、巡礼の本拠地であるサンチャゴ・デ・コンポステーラやビゴ、ラ・コルーニャなどでは今も話されている。 レコンキスタでセビージャをイスラム教徒から奪還したのが彼の父親が王位にあったときということからも分かるように、当時スペインの南はアラブ文化圏だった。 そこで、アラブとカトリックの文化融合が起こっていたはずであるということから、アラブ色を含めた演奏が増えている。 このような昔の曲は解釈がいくらでも出来るので、CDによる演奏もヴァラエティに富んでいる。